特集

海洋×カガクの大冒険!海洋×カガクの大冒険!

広ひろくて深ふかい海うみはどこまで続つづいているのだろう。
人間にんげんがもぐることができるのはほんのわずかな深ふかさ。
太陽たいようの光ひかりが届とどかない暗くらい海うみの底そこには、どんな生いき物ものがいるのかな?
海底かいていには何なにがねむっているのだろう?
そんなことを考かんがえたことがある人ひとも、きっといるはず。
人ひとは昔むかしから海うみとともに生いきてきた。
でも、そんな海うみについて、まだ分わかっていないことがたくさんあるんだ。
もしかしたら、未来みらいのくらしに役立やくだつ資源しげんがあるかもしれない一方いっぽうで、
海うみのごみも大おおきな問題もんだいになっている。
そこで活躍かつやくしているのが深海探査船しんかいたんさせんや水中すいちゅうロボット、そしてカガクの力ちから。
さあ、目めには見みえない海うみの奥おくにねむっているひみつをたずねてみよう。
読よみ終おわったあと、海うみを見みつめるまなざしがちょっとだけ変かわっているかもしれないよ。

JAMSTECジャムステック
(国立研究開発法人こくりつけんきゅうかいはつほうじん 海洋研究開発機構かいようけんきゅうかいはつきこう)

深海しんかいのひみつを調しらべる探査船たんさせんや探査機たんさき

みらいⅡの完成イメージ図みらいⅡの完成イメージ図

みらいⅡツーの完成かんせいイメージ図ず

地球ちきゅうの表面ひょうめんの70%は、海うみでおおわれています。その海うみには、見みつかっていない場所ばしょ、分わかっていないことが、まだまだたくさんあります。
JAMSTECジャムステックでは1971年ねんから、そんな海うみのふしぎを調しらべ、研究けんきゅうしています。温暖化おんだんかの状況じょうきょう、海うみの生物せいぶつや資源しげん、地震じしんのしくみ、火山かざん活動かつどう――。調査ちょうさ・研究けんきゅうして分わかったことを、私わたしたちのくらしや地球ちきゅう環境かんきょうの維持いじに役立やくだてることを目指めざしています。
海うみの調査ちょうさ・研究けんきゅうには、船ふねや探査機たんさきが使つかわれます。そのなかには、海底かいてい下か7,000mまで掘ほる能力のうりょくを持もつ地球深部探査船ちきゅうしんぶたんさせん「ちきゅう」や、水深すいしん8,000mまでもぐることのできる深海巡航探査機しんかいじゅんこうたんさき「うらしま8000」などがあります。
2026年ねん秋あきには、北極域研究船ほっきょくいきけんきゅうせん「みらいⅡツー」が完成かんせい予定よてい。北極圏ほっきょくけん(温暖化おんだんかの進行しんこうペースが速はやい場所ばしょ)での調査ちょうさ・研究けんきゅうが予定よていされています。

海底は宝の山!?海底は宝の山!?

1海底かいていにはどんな資源しげんがねむっているの?

陸りくには金きん、銅どう、石炭せきたんなど、さまざまな資源しげんがあります。実じつは、海底かいていにも「海底鉱物資源かいていこうぶつしげん」と呼よばれる資源しげんがねむっています。
例たとえば、海底かいていからふき出だす熱あつい水みずに溶とけこんでいた金属きんぞく(鉛なまりや亜鉛あえん、銅どう、金きんなど)が、冷ひえて固かたまってたまった「海底熱水鉱床かいていねっすいこうしょう」。鉄てつやマンガン、コバルトが海山かいざんの斜面しゃめんをおおうような形かたちでたまった「コバルトリッチクラスト」。直径ちょっけい2~15cmほどの鉄てつやマンガンなどのかたまり「マンガンノジュール」。ネオジムなどのレアアースをふくむ「レアアース泥でい」などです。

海底熱水鉱床
海底熱水鉱床かいていねっすいこうしょう
コバルトリッチクラスト
コバルトリッチクラスト
マンガンノジュール
マンガンノジュール
レアアース泥
レアアース泥でい

2金属資源きんぞくしげんは何なにに使つかわれているの?

海底鉱物資源かいていこうぶつしげんにふくまれる金属きんぞくは、私わたしたちのくらしに役立やくだつものばかりです。
例たとえば、コバルトはスマートフォンなどに使つかわれるリチウムイオン電池でんちに、マンガンは鉄てつを作つくる時ときなどに使つかわれています。特とくに、レアアースは電気自動車でんきじどうしゃや風力発電機ふうりょくはつでんき、LEDエルイーディー照明しょうめいなど、環境かんきょうにやさしい技術ぎじゅつに欠かかせない材料ざいりょうで、「産業さんぎょうのビタミン」とも呼よばれています。
これらの資源しげんは、環境かんきょうにやさしいエネルギー技術ぎじゅつや、未来みらいのくらしを支ささえるさまざまな製品せいひんに使つかわれていて、これからますます必要ひつようになると考かんがえられています。

3どうやって見みつけるの?

深ふかい海うみの底そこにある資源しげんを見みつけるのは、とても難むずかしいことです。海うみは暗くらく、深ふかくなるほど水みずの重おもさによる力ちから(水圧すいあつ)が強つよくかかるため、人ひとが簡単かんたんに行いける場所ばしょではありません。さらに、海底鉱物資源かいていこうぶつしげんがどのようにできたのか、まだよく分わかっていないこともたくさんあります。
そこで活躍かつやくしているのが水中すいちゅうロボットです。JAMSTECジャムステックでは海底かいていのようすをくわしく調しらべるため、さまざまな探査機たんさきを使つかった研究けんきゅうを進すすめています。2018年ねんには、船ふねからケーブルでつながっていない自律型水中じりつがたすいちゅうロボット(AUVエーユーブイ)を2機き同時どうじに使つかった調査ちょうさに世界せかいで初はじめて成功せいこうしました。AUVエーユーブイ「じんべい」で電気でんきを流ながし、AUVエーユーブイ「ゆめいるか」で海底かいていの状態じょうたいを調しらべることで、地下ちかにある海底鉱物資源かいていこうぶつしげんのようすを、これまでより短みじかい時間じかんで正確せいかくに観測かんそくできるようになりました。
こうした研究けんきゅうや技術開発ぎじゅつかいはつによって、日本にほんの海うみにねむる資源しげんのひみつが、少すこしずつ明あきらかになってきています。

AUV「じんべい」
AUVエーユーブイ「じんべい」
AUV「ゆめいるか」
AUVエーユーブイ「ゆめいるか」

深海探査で見つかった「消えないごみ」深海探査で見つかった「消えないごみ」

ねむっているのは資源しげんだけじゃない!?

海底かいていにあるのは資源しげんだけではありません。食品容器しょくひんようきやペットボトルにレジ袋ぶくろ、フリース素材そざいの服ふくを洗濯せんたくした時ときに出でるプラスチック繊維せんい、目めに見みえないほど小ちいさな「マイクロプラスチック」など、たくさんのプラスチックのごみも流ながれつきます。その量りょうは1年間ねんかんで数百万すうひゃくまんトンにもなり、少すくなくとも約やく3,000万まんトンのプラスチックが分解ぶんかいされない「消きえないごみ」として、海うみの中なかにたまり続つづけていると考かんがえられています。こうしたごみは、海うみの生いき物ものや生態系せいたいけいに悪わるい影響えいきょうをあたえることも。例たとえば、魚さかながプラスチックごみを食たべ、その魚さかなが私わたしたちの食卓しょくたくに並ならぶ可能性かのうせいもあるのです。
日本にほん周辺しゅうへんの深海しんかいの底そこには、海流かいりゅうによって大量たいりょうのプラスチックごみが集あつまりやすい「たまり場ば」があります。その多おおくは使つかい捨すてのプラスチック製品せいひんです。中なかには、1980年代ねんだいに作つくられた食品しょくひんの包装ほうそうが、ほとんどそのままの状態じょうたいで残のこっていることもあります。深海しんかいは太陽たいようの光ひかりが届とどかず、水温すいおんも低ひくいため、プラスチックが分解ぶんかいされにくいのです。
JAMSTECジャムステックではこうした問題もんだいを解決かいけつするために、プラスチックごみの実態じったいを調しらべています。私わたしたちの生活せいかつを守まもるためにも、プラスチックごみの問題もんだいについてできることは何なにかを考かんがえてみましょう。

海底のプラスチックごみを拾っているようす
海底かいていのプラスチックごみを拾ひろっているようす
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海を守るための取り組み1 みんなで協力! 海洋プラスチックごみを減らす工夫海を守るための取り組み1 みんなで協力! 海洋プラスチックごみを減らす工夫

クリーン・オーシャン・マテリアル・アライアンス
(Japanジャパン Cleanクリーン Oceanオーシャン Materialマテリアル Allianceアライアンス 略称りゃくしょう:CLOMAクローマ)

1CLOMAクローマってどんなことをしているの?

CLOMA事務局長柳田康一さん
CLOMAクローマ事務局長じむきょくちょう
柳田やなぎた康一こういちさん
海洋かいようプラスチックごみの問題もんだいを解決かいけつするために、多おおくの会社かいしゃや自治体じちたいが集あつまって2019年ねんに作つくられた団体だんたいが「CLOMAクローマ」です。海洋かいようプラスチックごみをなくすには、「ポイ捨すてをしない」ことはもちろん、3Rスリーアールと呼よばれる「リデュース(ごみを減へらす)・リユース(くり返かえし使つかう)・リサイクル(もう一度いちど使つかえるようにする)」取とり組くみや、環境かんきょうにやさしい素材そざいの開発かいはつなど、多おおくの人ひとたちと協力きょうりょくしなくてはいけないことがたくさんあるんです。CLOMAクローマには、460を超こえる会社かいしゃや自治体じちたいが参加さんかし、さまざまな実験じっけんや取とり組くみを行おこなっています。

2どんな実験じっけんをしているの?

例たとえば、マヨネーズを作つくっている「キユーピー」と「味の素あじのもと」は、総合そうごうスーパー「イトーヨーカドー」の3店舗てんぽで、マヨネーズボトルの回収かいしゅう実験じっけんを行おこなっています。回収かいしゅうされた容器ようきのよごれ具合ぐあいを調しらべながら、「どうすれば、より多おおくの人ひとがリサイクルに参加さんかできるのか」「どうすれば回収かいしゅうしたボトルを新あたらしく生うまれ変かわらせられるのか」を考かんがえ、新あたらしいしくみづくりに取とり組くんでいます。
また、洗剤せんざいメーカーの「ライオン」とインキメーカーの「東洋とうようインキ」は、使つかい終おわった洗剤せんざいのつめかえパックから印刷いんさつ部分ぶぶんなどをはがし、プラスチックの層そうをもう一度いちどパックとして使つかえるようにする技術ぎじゅつを開発かいはつしました。今いまはこの技術ぎじゅつを世よの中なかに広ひろめようとしています。

3子こどもたちに向むけて、どんな活動かつどうをしているの?

「未来みらいデザインプログラム」という中学生ちゅうがくせいを対象たいしょうにした出前授業でまえじゅぎょうを行おこない、2025年度ねんどは9校こうの生徒せいと、約やく1,500人にんが参加さんかしました。授業じゅぎょうでは、例たとえば、食品しょくひんメーカーの方かたが「うすいプラスチックの容器ようきはごみを減へらすことに役立やくだつんだよ」と紹介しょうかいしたり、ごみを処理しょりする会社かいしゃの人ひとがリサイクルのしくみを説明せつめいしたりします。ペットボトルから糸いとが作つくれることを知しると、みんなおどろきます。
出前授業でまえじゅぎょうの後あとには、生徒せいとたちが未来みらいについて考かんがえた映像えいぞう作品さくひんや展示物てんじぶつを作つくりました。そして、「大阪おおさか・関西かんさい万博ばんぱく」の会場かいじょうで、約やく380作品さくひんの中なかから選えらばれた10作品さくひんを中学生ちゅうがくせいたちが発表はっぴょうしました。CLOMAクローマでは、こうした実験じっけんや教育きょういく活動かつどうを通つうじて、海洋かいようプラスチックごみを減へらすしくみを社会全体しゃかいぜんたいに広ひろげていくことを目指めざしています。

「キユーピー」と「味の素」が実施するマヨネーズボトルの回収実験にて設置された回収ボックス
「キユーピー」と「味の素あじのもと」が実施じっしするマヨネーズボトルの回収かいしゅう実験じっけんにて設置せっちされた回収かいしゅうボックス
大阪・関西万博の会場で中学生を対象とした「CLOMA未来デザインプログラム」の成果発表会を開催
大阪おおさか・関西かんさい万博ばんぱくの会場かいじょうで中学生ちゅうがくせいを対象たいしょうとした「CLOMAクローマ未来みらいデザインプログラム」の成果発表会せいかはっぴょうかいを開催かいさい
プラスチックごみを減らす取り組みを知ってもらうため、さまざまな展示会に参加している
プラスチックごみを減へらす取とり組くみを知しってもらうため、さまざまな展示会てんじかいに参加さんかしている

「きみラボ」を読よむみなさんへ

今いま、神戸市こうべしなどでは、アイスクリームの紙かみカップをリサイクルする実験じっけんをしていて、これを全国ぜんこくに広ひろめるしくみも考かんがえています。CLOMAクローマではここまで説明せつめいしてきたいろいろな取とり組くみを通つうじて、2030年ねんまでには、新あたらしい容器ようきにリサイクルされたプラスチックを30%使つかうことを実現じつげんしたいと思おもっています(「Circularサーキュラー 30サーティー byバイ 30サーティー」)。
未来みらいの主役しゅやくは、今いまこの記事きじを読よんでいるみなさんです。海うみの環境かんきょうが良よくなる技術ぎじゅつや世よの中なかが明あかるくなるしくみを、みなさんの自由じゆうなアイデアでどんどん作つくっていってほしいと思おもいます。

©CLOMA

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海を守るための取り組み2 みんなで協力! 海洋プラスチックごみを減らす工夫海を守るための取り組み2 みんなで協力! 海洋プラスチックごみを減らす工夫

ブルーオーシャン・イニシアチブ
Blueブルー Oceanオーシャン Initiativeイニシアチブ 略称りゃくしょう:BOIビーオーアイ

1BOIビーオーアイってどんな団体だんたいなの?

CLOMA事務局長柳田康一さん
BOIビーオーアイ代表理事だいひょうりじ・サラヤ取締役とりしまりやく
代島だいしま裕世ひろつぐさん
海うみでは今いま、海洋かいようプラスチックごみが増ふえたり、海水温かいすいおんの上昇じょうしょうによって魚さかながとれなくなったりするなど、さまざまな問題もんだいが起おきています。そこで「いろいろな立場たちばの人ひとたちが集あつまって、一緒いっしょに考かんがえれば、新あたらしいアイデアが生うまれるかもしれない」という思おもいから、会社かいしゃや自治体じちたい、大学だいがくなどが集あつまって2022年ねんに作つくられた団体だんたいです。BOIビーオーアイには今いま、110をこえる団体だんたいが参加さんかし、海うみの生いき物ものや自然しぜんを守まもりながら、未来みらいの海うみをより良よくしていくためのさまざまなプロジェクトに取とり組くんでいます。

2どんなプロジェクトがあるの?

例たとえば、海水温かいすいおんの上昇じょうしょうなどによって海藻かいそうが減へってしまう「磯焼いそやけ」の対策たいさくに取とり組くんでいる「住友すみとも大阪おおさかセメント」と、海洋かいようプラスチックごみになりにくいパッケージを開発かいはつしている「レンゴー」は、BOIビーオーアイでの出会であいをきっかけに、海うみをよごさずに海藻かいそうを育そだて続つづける方法ほうほうを一緒いっしょに研究けんきゅうするようになりました。また、自動じどうで物ものを運はこぶシステムを作つくっている「ダイフク」と、ごみの回収かいしゅうや調査ちょうさを行おこなっている「ピリカ」は、川かわのごみを回収かいしゅうするロボットを開発かいはつしました。

3どんな未来みらいを目指めざしているの?

2025年ねんに行おこなわれた「大阪おおさか・関西かんさい万博ばんぱく」に参加さんかしました。「ブルーオーシャン・ドーム」で、海うみの資源しげんを守まもりながら使つかっていくことや、海うみの生いき物ものたちがくらし続つづけられる環境かんきょうについて発表はっぴょうしました。
このパビリオンの3つのドームは竹たけ、カーボンファイバー、紙かみの筒つつなど、環境かんきょうに配慮はいりょした材料ざいりょうで作つくられていました。解体かいたいしやすい構造こうぞうになっていて、今後こんごはタイの観光かんこう施設しせつなどで再利用さいりようされる予定よていです。
海藻かいそうがたくさん生はえている場所ばしょ(藻場もば)をどうやって復活ふっかつさせるか。海洋かいようプラスチックごみをどう回収かいしゅうして、もう一度いちど使つかえるようにするか……持続可能じぞくかのうな漁業ぎょぎょうとは。海うみには解決かいけつしなければならない問題もんだいが山積やまづみです。BOIビーオーアイでは、たくさんのプロジェクトを通つうじて良よい答こたえが見みつかったら、同おなじ問題もんだいに困こまっている地域ちいきにも広ひろげていきたいと考かんがえています。そして、2030年ねんまでにSDGsエスディージーズの目標もくひょう14「海うみの豊ゆたかさを守まもろう」の達成たっせいを目指めざしています。

「キユーピー」と「味の素」が実施するマヨネーズボトルの回収実験にて設置された回収ボックス
BOIビーオーアイに参加さんかする企業きぎょうなどの人ひとたちが長崎県ながさきけんの対馬つしまを訪問ほうもん。海岸かいがんに流ながれ着つくごみなど、海うみの環境かんきょう問題もんだいについて現地げんちで学まなんだ ©BOI
大阪・関西万博の会場で中学生を対象とした「CLOMA未来デザインプログラム」の成果発表会を開催
大阪おおさか・関西かんさい万博ばんぱくでBOIビーオーアイの活動かつどうを発表はっぴょうした「ブルーオーシャン・ドーム」 ©ZERI JAPAN
プラスチックごみを減らす取り組みを知ってもらうため、さまざまな展示会に参加している
藻場もば再生さいせいプロジェクトにて大阪湾おおさかわんの岸壁がんぺきに設置せっちした「藻場もば増殖ぞうしょくプレート」で育そだったワカメ ©大阪府おおさかふ

「きみラボ」を読よむみなさんへ

子こどもたちが自然しぜんを体験たいけんできる場ばづくり、例たとえば、廃校はいこうなどを活用かつようしてサマーキャンプを行おこない、泳およいだり釣つりをしたりしながら、海うみの現状げんじょうについて学まなべる機会きかいを作つくりたいですね。そして、海うみの生いき物ものについて、まずは知しってほしいと思おもっています。回転寿司かいてんずしに行いったら、何なんという名前なまえの魚さかななのか、どこでとれる魚さかななのか、ということを考かんがえるだけでも海うみへの興味きょうみにつながります。BOIビーオーアイの取とり組くみを紹介しょうかいした『あおいほしのあおいうみ』(紀伊國屋書店きのくにやしょてん)も、海うみのことを楽たのしく学まなべる本ほんです。ぜひ読よんでみてくださいね!

『あおいほしのあおいうみ』(Think the Earth 編著、ZERI JAPAN 企画、紀伊國屋書店)
『あおいほしのあおいうみ』
(Thinkシンク theジ Earthアース 編著へんちょ、ZERIゼリ JAPANジャパン 企画きかく、紀伊國屋書店きのくにやしょてん)

研究者に聞いてみた!研究者に聞いてみた!

研究者に聞いてみた!研究者に聞いてみた!

海うみの底そこにねむる未来みらいの資源しげん「レアアース泥でい」

Q1. レアアースってなに?

レアアースとは、31種類しゅるいある希少金属きしょうきんぞく(レアメタル)のうち、ランタノイド15元素げんそにイットリウムとスカンジウムを加くわえた17元素げんそをひとまとめにした呼よび方かたです。(元素周期表げんそしゅうきひょうを見みてみよう!)
これらは半導体はんどうたいや電気自動車でんきじどうしゃ、風力発電ふうりょくはつでん、LEDエルイーディー照明しょうめいといった「最先端技術さいせんたんぎじゅつ」や「クリーンエネルギー技術ぎじゅつ」を使つかった製品せいひんには欠かかせない元素げんそです。電気でんきを無駄むだなく使つかったり、化石燃料かせきねんりょうの使用しようを減へらしたりすることで、温室効果おんしつこうかガスの排出はいしゅつを減へらそうとする社会しゃかいの流ながれの中なかで、ますます必要ひつようとされています。

東京大学大学院工学系研究科 エネルギー・資源フロンティアセンター 中村 謙太郎教授
東京大学大学院とうきょうだいがくだいがくいん工学系研究科こうがくけいけんきゅうか
エネルギー・資源しげんフロンティアセンター
中村なかむら 謙太郎けんたろう 教授きょうじゅ

Q2. 日本にほんでレアアースが採とれるメリットは?

現在げんざい、日本にほんがレアアースを手てに入いれるには海外かいがいからの輸入ゆにゅうが欠かかせません。しかし、2012年ねんに東京大学とうきょうだいがくの研究けんきゅうチームが日本にほん最東端さいとうたんの島しまである南鳥島みなみとりしまの近ちかくの海うみで、レアアースを多おおくふくんだ泥どろ「レアアース泥でい」が存在そんざいしていることを発見はっけんしました。将来しょうらい、この資源しげんを利用りようできるようになれば、外国がいこくにたよることなく、日本にほんの中なかでレアアースを手てに入いれられるようになるかもしれません。そうなれば、電気自動車でんきじどうしゃや電子機器でんしききづくりなどを、より安定あんていして続つづけられると期待きたいされています。

東京大学大学院工学系研究科 エネルギー・資源フロンティアセンター 中村 謙太郎教授
南鳥島みなみとりしまで採とられたレアアース泥でいの展示てんじ

Q3. 中村先生なかむらせんせいが海底かいてい資源しげんに興味きょうみを持もったきっかけは?

最初さいしょから海底かいてい資源しげんに興味きょうみを持もっていたわけではありません。子こどものころは昔むかしの出来事できごとを想像そうぞうするのが好すきで、人間にんげんのいない恐竜きょうりゅうの時代じだいや生命せいめいが誕生たんじょうする前まえの地球ちきゅう、さらには宇宙うちゅうの始はじまりなど、今いまとはまったくちがう世界せかいに魅みせられていました。
その興味きょうみは大学だいがくに入はいってからも続つづき、何十億年なんじゅうおくねんも前まえの地球ちきゅうの環境かんきょうを調しらべる研究けんきゅうをしていました。その中なかで、昔むかしの海うみがどんな環境かんきょうだったのかを知しるための手てがかりとして、海うみでできた資源しげんについて調しらべたことが、今いまの海底かいてい資源しげんの研究けんきゅうにつながっています。

東京大学大学院工学系研究科 エネルギー・資源フロンティアセンター 中村 謙太郎教授
南鳥島みなみとりしまのレアアース泥でいから取とり出だしたレアアース

Q4. 研究けんきゅうしていて、楽たのしいことは?

新あらたななぞを見みつけることと、そのなぞを考かんがえて解とき明あかすことです。例たとえば、レアアース泥でいの研究けんきゅうでは、ある時代じだいの泥どろが、まるでけずり取とられたように消きえていることを見みつけました。しかし、太平洋たいへいようのど真まん中なかの深海しんかいの海底かいていは、波なみや速はやい海流かいりゅうがあるわけでもなく、泥どろがけずられるようなことは本来ほんらいありえないはずです。「過去かこの海底かいていで一体いったい何なにが起おきたのか?」と想像そうぞうをめぐらせるのは、とても楽たのしい時間じかんです。このなぞについても、ぜひとも解とき明あかしたいと思おもっています。

東京大学大学院工学系研究科 エネルギー・資源フロンティアセンター 中村 謙太郎教授
東京大学とうきょうだいがく内の鉱物資源こうぶつしげんフロンティアミュージアム―MINERAFRONTミネラフロント―

Q5. レアアース泥でい以外いがいで注目ちゅうもくの資源しげんは?

「マンガンノジュール」という海底かいてい資源しげんにも注目ちゅうもくしています。これはサメの歯はや岩石がんせきのかけらなどを核かくにして、海水かいすい中のマンガン成分せいぶんが数百万年すうひゃくまんねんかけて少すこしずつくっつくことでできた、直径ちょっけい数cmから十数cmのかたまりです。この中なかには、電気自動車でんきじどうしゃやスマートフォンのリチウムイオン電池でんちなどに欠かかせない「コバルト」や「ニッケル」が豊富ほうふにふくまれています。
マンガンノジュールは、レアアース泥でいと同おなじ南鳥島みなみとりしまの近ちかくの海底かいていの広ひろい範囲はんいに、びっしりとしきつめられたように分布ぶんぷしています。この資源しげんについても、レアアース泥でいとともに「国産資源こくさんしげん」として活用かつようできるようにしていきたいと考かんがえています。

©東大加藤中村安川研