プラスチックはリサイクルがむずかしいものも多く、ごみになってしまうことも。
でも今、そんなプラスチックをもう一度、原料となる「油」の状態にもどして、
ピカピカの新品に生まれ変わらせる、そんな新しい技術が注目されているよ。
どんな技術か、くわしく見てみよう!
レジ袋やお弁当のフタ、ドレッシングのキャップ――使い終わったプラスチックは、よごれたり、いろいろな素材が一緒になっていたりすると、リサイクルがむずかしいんだ。そういうプラスチックはごみとして燃やされたり、埋め立てられたりしているよ。
でも、「ペットボトルはリサイクルしてるよね?」と思うかもしれないね。たしかにペットボトルは“分けやすくてキレイ”だからリサイクルしやすいけれど、ほかのプラスチックは工夫が必要。そこで開発されたのが「プラスチック油化ケミカルリサイクル」という、プラスチックをよみがえらせる新しい方法なんだ。
多くのプラスチックは石油から作られているんだけど、三菱ケミカルとENEOSが共同で取り入れているこの技術は、使い終わったプラスチックを分子レベルまで分解して油にもどすことができるよ。対象となるのは、レジ袋などに使われるポリエチレン、ストローやお弁当の容器などに使われるポリプロピレンといった、普段からよく目にするプラスチック。いくつかの素材が混ざっていてもリサイクルできるのが大きなポイント。
この油は、工場の設備でそのまま使えたり、新しいプラスチックの原料になったりするよ。新品みたいにきれいで高品質なプラスチックに生まれ変わるから、車の部品やハンガーなど、身近にあるさまざまな製品に使うことができるんだ。さらに今、食品トレーや薬のパッケージなど「絶対に安全じゃなきゃいけないもの」にも使えるように、安心して使うためのルールづくりが進められているところだよ。
この技術は、すでに活用されはじめている。例えば、茨城県では食品メーカーやスーパーマーケットと一緒に、使い終わったドレッシングのキャップと中栓を回収して材料にもどす「プラリレープロジェクト」が進行中。さらに2025年の大阪・関西万博ではコンビニエンスストアから出たプラスチックごみを集めてリサイクルする取り組みをテストとして実施。そんな三菱ケミカルの「プラスチック油化ケミカルリサイクル」は、この秋以降、本格的にスタート!
プラスチックを「何度でも使える資源」に変えるこのしくみは、「サーキュラーエコノミー(循環型社会)」を支える大切な考え方。みんなも意識してみよう!